Wines of Portugal Japanese Sommelier of the Year2016

2016年7月5日(火)東京・八芳園にて「Wines of Portugal Japanese Sommelier of the Year2016」の非公開準決勝と公開決勝が行われました。
非公開準決勝に挑んだのは、5月23日(月)全国6会場に於いて開催された予選通過者の11名。

決勝進出者11名(準決勝選手番号順)

塚元 晃 (オーベックファン神戸)
岩田 渉 (Cave de K)
森本 美雪 (コンラッド東京)
大川 大輔 (株式会社 東武ホテルマネジメント)
吉原 隆行 (レストラン 花の木)
谷川 雄作 (Zurriola)
佐々木 健太 (フォーシーズンズホテル丸の内東京)
亀澤 広義 (株式会社ポンテム)
定兼 弘 (ホテルニューオータニ大阪)
稲葉 みづき (カフェスレット)
井黒 卓 (Quintessence カンテサンス)

準決勝の様子

公開決勝終了時に、当協会技術研究部長の森覚常務理事が、準決勝の様子を説明。

準決勝では、ワインテイスティングとプレゼンテーション、料理とワインのハーモニー、ワインリストの間違い探し、画像を見て何であるかを答える課題に挑戦しました。

ワインテイスティングは7種類。1アイテム(Douroの白ワイン)についてはフルコメント、6アイテムについては原産地呼称または生産地域と品種と収穫年を答え、すべてを6分でコメントします。
プレゼンテーションの課題は、ポルトガルワインが土着品種のブドウが非常に多い国であることから、「土着品種について、また品種をブレンドして造るワインに関して、4分で言及しプレゼンテーションせよ」でした。
料理とワインのーモニーについては、BlANDY'S MADEIRAのSercial Aged10yearsとMalmsey Aged10years を試飲し、エッグタルトを試食して、その相性について5分でコメントするもの問題でした。
ワインリストの間違い探しは、3分で14か所の間違いを述べなくてはなりません。例えば。品種の間違いや白ワインリストに赤ワインが入っていたり、綴りの間違いなどです。
英語による「Correction(訂正・校正)of Wine Lists」の問いに「Collection(コレクション)of Wine Lists」と誤解して首をひねる選手もいました。
画像問題では2分間のスライドが映され、ポルトガルやポルトガルワインにまつわる人物名や施設、物の名前、料理などを答えます。

準決勝解答

テイスティング(6分)
テイスティング(6分)
  1. 1. Douro Reserva 2014   Horta Osorio Wines / Rabigato, Viosinho
  2. 2. Vinho Verde 2015   João Portugal Ramos Wine / 85% Loureiro, 15% Alvarinho
  3. 3. Dão Palácio Anadia Reserva 2013   Casa Anadia / 100% Touriga Nacional
  4. 4. Douro Rufo do Vale D. Maria 2013   Quinta Vale D.Maria / Touriga Franca, Touriga Nacional
  5. 5. Alentejano Fonte da Serrana 2013   Monte da Ravas querira / 70% Aragonez, 30% Trincadeira
  6. 6. Tejo Cabeça de Toiro Reserva 2011  Caves Valhas / 50% Touriga Nacional, 50% Castelaõ
  7. 7. Porto Tawny 10 years old   Quinta de Santa Enfêmià / Touriga Franca, Touriga Nacional, Tinta Barroca, Tinta Roriz, Tinta Co, Tinta Amarela

ワインリストの間違い探し(3分)

下線赤文字が間違い

画像問題8枚(2分)

決勝の様子

フラッシュテイスティング(3分)

一問目は「Please taste these wines and you can answer ’DO, Grape-varieties, Vintage'. You have 3 minutes.」
公開決勝は、赤3白3の6アイテムのワインテイスティング(原産地呼称または生産地域と品種と収穫年を答える)を3分で行う課題から始まりました。

プレゼンテーション(3分)

舞台上にはポルトガルワイン委員会エデュケーターのSofia Salvador女史とインスティテュート・オブ・ワイン・アンド・ヴァインのFrederico Falcao会長がお客さま役として座っています。

第二問目は、「I would like to start an import business with 'Lancers Rose’ in Japan. Please give me your idea and advice. You have 3 minutes.」
「日本で『Lancers Rose』を扱ってインポートビジネスを始めたいが、なにかアドバイスをほしい」という客に、3分で答えます。

メニュー提案(2分)

第三問目は、「We've heard very often that we can enjoy the best quality food from all over the world in Tokyo. We would like to ask you to recommend a special dinner menu to enjoy 3 kinds of Portuguese wine. We've already appreciated French and Japanese foods very much this week. You have 2 minutes.」
「世界中の上質な料理を楽しめるといわれる東京において、3種のポルトガルワインを楽しめるスペシャルメニューを勧めてほしい。但し今週はすでにフランス料理と和食を十分いただいている」という客に、ワインリストから3種のワインを選び、合わせた料理を2分で説明します。
「We've already appreciated French and Japanese foods very much this week」という一言に気配りをしたコメントも見受けられました。

サービスプレゼンテーション(2分)

第四問目は、「You have several kinds of Madeira and Porto wines in the cellar. Please choose and pair the best wine with 'Roasted Piglet' and give us a short presentation. You have 2 minutes.」
セラーには、いく種類かのマデイラとポートワインがあり、その中から「子豚のロースト」に合わせたワインを選び、客に2分でプレゼンテーションする問題が課せられました。

サービス実技(3分)

最後の課題は、「Please serve the Vintage Port Wine for your guests. You have 3 minutes.」
ヴィンテージ・ポートを2名の客に3分でサービスするものです。
ヴィンテージポートのように長期熟成してコルクが劣化している可能性があるワインを抜栓するのは至難の業。
会場の観客が真剣な表情で見守る中、5名の選手は検討を重ねました。

決勝ステージ

決勝解答

フラッシュテイスティング(3分)
フラッシュテイスティング(3分)
  1. 1. Beira Atlantico 2014   Luis Pato / 95% Maria Gomes, 5% Sercialinho
  2. 2. Dão Encruzado 2014  Casa de Mouraz / 100% Encruzado
  3. 3. Minho 2015  Aveleda / Alvarinho
  4. 4. Alentejano 2012   Monte da Ravasqueira / Touriga Franca
  5. 5. Douro Reserva Qinta dos Murças 2011   Esporão / Tinta Roriz, Tinta Amarela, Tinta Barroca, Touriga Nacional, Touriga Franca, Sousão
  6. 6. Bairrada 2013 Vinha Barrrosn   Luis Pato / Baga

決勝結果

優勝 井黒 卓 選手(Quintessenceカンテサンス)
2位 岩田 渉 選手(Cave de K)
3位 塚元 晃 選手(オーベックファン神戸)
4位 森本 美雪 選手(コンラッド東京)
5位 定兼 弘 選手(ホテルニューオータニ大阪)


(所属などは2016年7月5日時点の情報です)

 

Frederico Falcao会長 審査員として参加したポルトガル・インスティテュート・オブ・ワイン・アンド・ヴァイン(ポルトガルのワイン関連の規則や規制を管理監督する公的機関)のFrederico Falcao会長から、日本で開催されたポルトガルワインのコンクールについて挨拶がありました。

「ポルトガルワインは、多様性に富み、ワイン生産用に認められたワイン品種は343品種。そのうち250種類が固有品種です。ブドウの品種の多さでは世界で第3位です。
ワインはポルトガルの歴史、文化、食文化、さらにはポルトガル社会に大きく関わってきました。
ワインズ・オブ・ポルトガルにとって、日本は重要な市場です。日本は人口1億2000万強といわれ、世界で第3位の経済大国です。日本とのワインの取引量は右肩上がりで、今後数年の間に18%増を予測しています。両国の長年の友好関係をみて、今後ポルトガルが日本の強力なパートナーとなることを信じています。またポルトガルが日本市場に投資をし、我々のワインを紹介し、我々が特異な存在であることを示し、ブドウ品種やワインについてのトレーディングを推進していくことは、両国の利益に資すると考えます。日本の支援を受けることで、我々の未来は明るく、日本の消費者が将来、ポルトガルワインの一番の理解者になると確信しています。
アメリカ建国の父、ベンジャミン・フランクリンが
『ワインは人を楽にしてくれる、落ち着かせてくれる、緊張を和らげてくれる、そして寛大にしてくれる』という言葉を残しています。まさしくその通りと思います。
皆様の今後のご活躍を心より祈っています」
とエールを送られました。

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