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No.15 ワインエキスパート(2008年合格)―竹内 健悟

No.15 ワインエキスパート(2008年合格)―竹内 健悟

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 本格的にワインを飲み始めてたった3年の自分が、初めて受けた試験で幸運にも合格することができた。今振り返ると、受験勉強は大変だったものの、ある程度自然な流れで楽しんでやってこられた気もしている。その流れとは、①指導者を持つこと、②舌を鍛えること、③実体験を積み重ねること、である。

 全ての始まりは、地元弘前市にあるブラッスリー「ムッシュ」で味わったブルゴーニュワインのおいしさだった。この飲み物が与えてくれる幸福感を味わいながら、ご主人の話を伺ううちにワインの世界の深さと広さを知り、1年後には自分なりにきちんと体系的に学び整理する必要があると感じた。しかし、本屋でソムリエ教本を手にしたとき、そのあまりにも膨大な情報量に圧倒され、これを頭に入れるのは到底無理だとあきらめた。そんな思いを救ってくれたのが「ワイン基本技術通信講座」であった。

 深い世界を正しく学ぶためには指導者に付くことが肝要である。この講座では学科の問題と、ワイン2本のテイスティングコメントが毎回の課題である。まずは、この講座によって分厚い教本のポイントを少しずつ押さえながら学習していくことができた。「ムッシュ」のご主人と講座の先生の指導を受けて、ワインの知識を一から学び、整理し始めることができた。また、平易な内容のワイン入門書も買い込み、併せて読み進めた。

 膨大な情報の暗記は誰にとっても一番の難物だ。車のダッシュボードに付箋を貼っては復唱しながら通勤という毎日を送った。自分の頭に入りやすいように整理し直した表をいくつも作って部屋に貼ったり持ち歩いたりした。有効だったのは、事柄を丸暗記をするのではなく、地図と結びつけて覚えることだ。さらにそのワインを体験することによってイメージは立体的となり、頭に刻まれやすくなった。また、自分にとって幸いしたのは、長年クラシック音楽や歴史に親しんできたため、歴史や地理的な知識のベースがあったことである。これは、今後ワインを楽しんでいく上でも役立つものと思っている。

 最も苦労したのは、2点目のテイスティングコメントである。自分の好みによる判断ではなく、いかに自分の舌を客観化させるかは大きな課題だった。講座でもなかなか点数が上がらなかった。講座では添削結果が2週間ほど後に送られてくるので、本当は先生と同席して味わい「これが火打ち石のニュアンスです」というような直接指導を受けたかった。ワイン会に出席してコメントを交流したり、ワインを飲むごとにコメントを書き、同じワインの評価をネットで探してコメントが一致するか確かめる作業を繰り返した。これは、いまだに続けているし、今後も最も鍛えていかなければいけない課題である。

 3点目の実体験とは、ワイナリーを訪ねたり、お店でソムリエ、ワインアドバイザーの方のお話を伺うことである。そこからは本では得られない「人の熱い心」を感じることができた。頭で覚えたことは忘れるが体験したことは忘れない・・・まさにその通りである。

 このたび合格通知を頂いたときには、うれしさと同時にがんばった日々への思いからなのか涙が浮かんできた。がんばったと言えば4年前に博士号を取得したが、そのときに涙が無かったことを思うと、今回の喜びはそれを凌駕するものであったのだと思う。

 ワインに出会えたからこそ、多くの人と出会うことができ、喜びと楽しみをともにすることができた。この体験を今後も広げていきたい。

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