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No.41 ソムリエ(2009年合格)―木下 陽子

No.41 ソムリエ(2009年合格)―木下 陽子

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私がソムリエ試験を受けたきっかけは、職場の一従業員の「言い出しっぺ」からでした.
彼女も最初は2、3人で勉強して皆の知らないうちに「ソムリエ取っちゃいました!」と言いたかったらしいのですが、講師をお願いした取引先のワインアドバイザーの先生が予想以上に燃えられたらしく、「それなら希望者を募って勉強会をやりましょう」と言う事になり、私にもその話が持ちかけられました.
私も今までワインの知識もないままワインを売っていたのが嫌だったので、是非勉強会に参加したい、とお願いしました.2009年1月の事です.

 

早速先生からレジュメが配布され、勉強会の日時が書かれていました.
「毎週木曜日、午前8時~9時」早っ!
先生も9時から実家のワイン店の仕事があるので朝しか無理、との事でした.
1月から9月まで35回の早朝勉強会.目的はソムリエ試験に合格する事.
この時私は「凄い事に顔を突っ込んでしまったな」と思いました.
場所は主人の経営するスペイン料理店、エルフォゴンでする事になりました.

 

そして、6人の従業員でスタートした「マルゴー会」.名前の由来は、私が「試験が終わったら皆でシャトーマルゴーを飲もう!」と言ったからです.「30日間ワイン完全マスター」というテキストをもとに、毎回範囲を決めて勉強していきました.1月はワイン概論.2回目からは、前回覚えた範囲のテストがあるので、それが嫌でした(笑).最初は全然暗記できなくて、テストも20点台でしたが、唯一90点台を取っている店長がいました.彼は自分の声をボイスレコーダーに吹き込んで、毎日聴いているというのです.「これや!」と思い、主人には誕生日プレゼントにipod+マイクを買ってもらいました.
私も店長の真似をして、テキストを読んでipodに録音して、通勤途中や、家事をしながら聴いていました.自分の声って自然に頭の中に入っていくのですね.私はこの方法を「洗脳法」と呼ぶ事にしました(笑).

 

毎日洗脳(勉強)しているうちに、テストの点もだんだん上がって来て、60、70、80、そして遂にブルゴーニュのテストで95点を取ってしまいました.3月の時点で、店長と私だけが真面目にテストを受けていました.後の従業員は、と言うと、「授業は聴くが、テストは受けない」と言った感じでした.一応テストの結果は先生に報告する事になっていたのですが、、、

 

4月からはティスティングも始まり、毎回4種類、計80種類飲ませていただきました.ワインは小瓶に分けて持ち帰り、自宅でも練習しました.

 

5月のGWは東京に行く機会があったので、私の憧れのソムリエ、佐藤陽一さんのレストランに行って佐藤さんとお話しすることができました.佐藤さんは私がソムリエ試験を受ける事を言うと、色々アドバイスを下さいました.ティスティングは佐藤さんの執筆された本を参考に勉強しました.

 

そんな矢先、頑張って勉強していた店長が仕事との両立ができない、と言う理由で、マルゴー会を脱退しました.マルゴー会は月会費一万円だったので、一度入ったら抜けられない、という決まりになっていましたが、「会費は払い続けます」との事だったので、仕事を優先して、授業には来なくなりました.

 

ということは、真面目にテストを受けているのが私だけになりました.皆、授業が終わったらテストを受けずに帰ってしまうので、私だけ一人でテストを受けていました.私もだんだんやる気がなくなり、遂にテストを受けなくなってしまいました.

 

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そして6月、「マルゴー会」自体にも一人来なくなり、二人来なくなり、言い出しっぺの従業員でさえいつの間にか蒸発し、最後は私と先生のプライベートレッスンみたいになってしまいました.7月、ソムリエ試験を申し込んだのは私だけでした.

 

私が「マルゴー会」をやめなかった理由は、色々ありますが
・ 一度決めた事は最後まで諦めたくなかったから
・ 月一万円も払ってやめるのは勿体なかったから
・ オーナーの嫁として諦めたら格好悪いから(プライド)
・ せっかく来ていただいている先生に失礼だから
・ 絶対ソムリエ試験に合格したかったから、、、等々

 

そして7月、皆に裏切られた私の所に朗報がやってきました.先生のお父さんから「知り合いでソムリエ試験を受ける子がいるから紹介するで」と.彼女(Kさん)は京都のワインスクールにも通っているので、そこで学んだ事を私に教えてくださるというのです.早速連絡を取り、私の方から「マルゴー会に入りませんか?」とお誘いしました.当初、マルゴー会はお店の従業員だけで始まったものなので、外部の方はお断りしていましたが、あまりにもヒドい状況なので、やる気のある方に入っていただいた方が私も助かる!ということで7月からKさんと一緒に勉強する事になりました.

 

Kさんはワインスクールに通っているだけの事もあり、やる気が違いました.私もライバル的な人がいた方が刺激になるのでお互い、「絶対合格しようね!」と誓い合いました.

 

8月は24日に一次試験があるので、毎日勉強しました.例の洗脳法+過去問を何度も繰り返し、わからない所は納得するまで勉強しました.

 

そして、試験当日、ママチャリで試験会場のホテルオークラに向かいます.会場に着くと、ロビーは異様な雰囲気.皆最後の最後まで勉強していました.私はやる事はやったんだから、最後に焦って勉強しても意味がない、と思う方なので、Kさんとリラックスして喋っていました.

 

試験が始まり、目が点.70問しかありません.今まで100問だったのに、、、
思わずマークシートを裏返した人は私だけではないはず(笑)試験が終わり、すぐさま家に帰り、自己採点しました.70問中50問正解.合格率は7割だったので、いけるかな?と思っていましたが、今年から問題数が70問になったので合格率もわからず、結果発表まで落ち着きませんでした.

 

9月2日、合格発表の日はHPでチェックしようとパソコンの前に座っていましたが、サーバーがパンクしたようで、しびれを切らし、気晴らしに指圧にいきました.指圧が終わり、ケータイを見たら、Kさんから合格メールが!私も急いで家に帰り、HPをチェックしたら見事に合格!誰よりも先に先生に電話しました.

 

一次試験が終わってからも「マルゴー会」はありました.二次試験対策です.しかし、先生はワインアドバイザーなので、ソムリエの実技試験対策はできない、と言う事だったので、Kさんの通うワインスクールに一日だけ講座を受けにいってきました.元試験官をされていた先生に実技を見ていただいたので、実技対策は完璧でした.

 

情けない話ですが、「マルゴー会」に来なくても、ワインは小瓶に入れて持ち帰る事になっていたのですが、皆それさえもしなくなったので、一週間経ったワインは私が持ち帰り、勉強用に使う事にしました.毎週4本のボトルをダンボールに入れ、ママチャリの子どもを乗せる所に入れて走っていたら、ママ友から笑われました.だって子どもを乗せる所にワイン乗せているんですもの(笑).まぁそれも良い思い出です.

 

二次試験では相性のよい料理も出ますから、毎日のおかずはその日に飲むワインに合わせて作りました.
ツバスのグリル・レモンガーリックソース、ソーセージのグリル・酢キャベツ、鶏の赤ワイン煮、サンマとトマトのグリル、豚肉とキャベツの白ワイン蒸し-
どんなワインと合わせていたのかは想像がつきますね.3歳の息子も葡萄ジュースで私の酒のアテに付合ってくれていました.息子にはお客さん役にもなってもらって、「シャトーマルゴーお願いします」と言わせていました(笑).何度も練習したので、本番はかまずに実技ができました.息子よ、ありがとう!

 

10月5日の二次試験から約二週間、期待と不安でいっぱいでした.HPで自分の番号を見つけたときは胸が高鳴りました.最後まで諦めずに頑張って良かった!試験終了後の打ち上げで飲んだシャトーマルゴー‘99は格別でした.Kさんも私も頑張ったので美味しさ倍増でした.最後まで私と一緒に勉強してくれたKさん、私を応援し続けてくれた先生、旦那様、有難うございました!

 

私はこれからも一流のソムリエを目指して勉強を続けたいと思います.(終)

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