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オーストリアワインサミット2009リポート (パート1)

オーストリアワインサミット2009リポート (パート1)

オーストリアワインマーケティング協会(AWMB)主催
リポート:棚橋 真紀 (関東支部委員 会員番号8700)

2009年6月10日より4日間、オーストリアワインマーケティング協会(以下AWMB)によるワインサミットが、本国オーストリアで開催された。これに 伴い各国のワイン関係者がAWMBによって組まれたコースのプログラムに従い、主なワイン産地を訪ねた。今回は、ブルゲンラント州の一部と、ニーダーエス タライヒ州のワイン産地を巡るコースに参加した。

初日のテイスティングはホイリゲで
ちょうど入梅したかと思われた東京を後にオーストリアの首都ウィーンに到着したのは6月10日の夕刻。意外にも雨が降った後のようで、少し湿度が気に なったが、フランスのブルゴーニュ地方と同じ緯度に位置するだけあり、夏至を控えての日の長さはやはりヨーロッパならではであった。ホテルへのチェックイ ン後、ウィーン郊外に位置するZahelのホイリゲへ移動し、今回のワインサミットのために世界各国から集まった参加者と合流。テイスティング用に準備さ れた30種類のワインが奥の中庭に並べられ、初夏のすがすがしい空気の中での気持ちの良いテイスティングとなった。すべてのアイテムがウィーンのワイナ リーでつくられたもので、またホイリゲということもあり、そのアイテムの約1/3がゲミッシュター・サッツ。本場のホイリゲで味わうゲミッシュター・サッ ツには感動したが、特に樹齢の古いものからつくられたものは味わいも深かった。その他、もちろんオーストリアの代表的白ワイン品種であるグリューナー・ ヴェルトリーナーやリースリングに加えてピノ・ノワールやカベルネ・ソーヴィニヨンなどの国際品種を使用した赤ワインまで用意されていた。
テイスティングと参加者の会話が盛り上がって来た所にAWMBの会長であるヴィリー・クリンガー氏より陽気な挨拶があり、明日からのツアーへの期待が広がった。

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ウィーンからブルゲンラント州へ
翌朝、バスでウィーン南部のブルゲンラント州へ移動。オーストリア最小の都市で、文化財保護指定を受けたノイジードラーゼー西岸のルストの町のワインア カデミーに到着。クリンガー会長によるオーストリアとそのワインの概論の導入セミナーに引き続き、ゼックマイスター氏によるシュタイヤーマルク州とブルゲ ンラント州のワインについてのセミナーを受けた。
シュタイヤーマルク州のワインの多様性
スロヴェニアと接する地方で、南部・南東部・西部からなるシュタイヤーマルク州のワイン産地は、産出するワインのほとんどが白ワインであるが、一部ツ ヴァイゲルトや西部で生産される高酸度のロゼのシルヒャーの原料ぶどう品種であるブラウアー・ヴィルトバッハー等の黒ぶどう品種も見られる。イリュリア性 気候と呼ばれる暑い夏と冷涼な冬、そして年間1000mmに及ぶ降雨量が特徴で、地中海性気候とパノニア気候の影響を受けるために雹の被害が多い。そのた め、畑をネットで守る策を採っているという。また、ぶどう畑の傾斜が急であり、2/3の畑の傾斜角度は26度以上となっている。小規模な生産者が多く、地 元消費が中心であり、“Junker”と呼ばれる新酒がリリースされる11月~12月にかけては、フェスティバルが開催される。この地域ではシャルドネ種 は、“モリヨン”と呼ばれ、約8割のワイナリーがラベルにも品種名を“モリヨン”と表記している。
サーモンカラーが特徴のシルヒャーは酸度が高く、すっきりとした夏向きのワイン。南東部で生産されるゲヴュルツトラミナーは、非常にスムーズな口当たりでバラやパイナップルの香りが上品に口に広がった。地元のブッシェンシャンクを訪れた際には是非購入したい逸品だ。

ブルゲンラント州の貴腐ワインと赤ワイン
東側にハンガリー国境を控えるブルゲンラント州の大きな湖、ノイジードラーゼーの周辺は、日照時間が長く温暖、湖からもたらされる湿度によりボトリティ ス菌が付着しやすく、貴腐ワインが多く生産されている。セミナー会場となったワインアカデミーがあるルストは、ルスター・アウスブルッフで有名であるが、 湖の北側では、砂とチョークの軽い土壌からツヴァイゲルトがつくられている。タンニンが柔らかく、フルーティーな特徴を持つため、若いうちから市場に出回 る品種とのこと。この地方のもうひとつの主要黒ぶどう品種であるブラウフレンキッシュは、特にミッテルブルゲンラントのDAC品種として名高い。この地域 は、西側・北側・南側にある山に守られ、東側より吹く暖かく乾いた風が吹き込む。重く吸水性に優れた土壌からは、力強く骨格のしっかりした赤ワインが生産 される。
試飲したブラウフレンキッシュは2006年ヴィンテージ。黒系ベリーやチョコレートに加えてスパイスの香りがあり、酸味タンニンともしっかりしていた。晩熟型のワインで、熟成の可能性を秘める。

ブルゲンラント州のワインの習得した後はその州都であるアイゼンシュタットへ移動。青い空の下、エスターハージー宮殿のまばゆい光景が広がっていた。

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