関東
カリフォルニアの「サンタ・バーバラ」を9月に訪問した際、Santa Barbara County Vintners’ Association(サンタ・バーバラ・ワイナリー協会)主催による、12生産者の試飲会が開かれました。
試飲会の舞台となったのは「スター・レーン・ヴィンヤード」(Star Lane Vineyard)。サンタ・イネズ・ヴァレーの最東端に位置し、AVAとして承認待ちのハッピー・キャニオン・オブ・サンタ・バーバラ(約500エーカー、200ha)にあるワイナリーです。
スター・レーンのオーナー、ジム・ディアバーグ氏は、この美しいアムール・ランチの風景に一目惚れして購入を決めたとのこと(1996年)
日本のTVドラマの撮影でもこの場所が使われたようですが、日本人は目ざといですね。
この辺りは町に住む人たちが週末に訪れてカウボーイ気分を楽しむ地とのこと。実際、広大な土地にのんびりと放牧されている多くの牛の姿を見ましたが、この牛たちは週末になると、にわかカウボーイ達に追われているのでしょうか。
スター・レーンでは80の区画の畑96haを所有し、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロ、プティ・ヴェルド、ソーヴィニヨン・ブラン、シラー等を栽培しています。
ハッピー・キャニオンはサンタ・バーバラ・カウンティの他の地域に比べて気候が温暖なため、ボルドー品種に最適で、シラーや他のローヌ品種の栽培も行われています。
また、土壌のタイプもバラエティ豊かであり、多くの異なるミクロクリマもあることから、スター・レーンでは、80の区画それぞれに最適な品種を植えています。
オーナー、ジム・ディアバーグ氏の息子さんの奥様であるチャーメイさん。
日本に留学していた経験があるということで、上手な日本語で説明してくれました。
ディアバーグ家では3つのワインブランドを持っています。
「スター・レーン」(Star Lane)はボルドー品種とローヌ品種を、
「ディアバーグ」(Dierberg)はピノ・ノワールとシャルドネを、
「スリー・セインツ」(Three Saints)はカウンティ内の3つのAVAの特徴を反映したワインをつくっています。
今回チャーメイさんが紹介してくれたのは、スター・レーンとディアバーグのワインです。
かつては、あのベリンジャー(Beringer)にブドウ売っていました。この日、たまたま来ていたベリンジャーの元担当者は私も以前日本で会ったことがある方で、え?なぜココに?と驚いた私に、ベリンジャーとスター・レーンの繋がりを説明してくれました。
今、かなり注目されているワインが、「Star Lane “Astral” Cabernet Sauvignon Santa Ynez Valley 2005」で、「ナパよりもナパらしいカベルネ」とチャーメイさん。通常1エーカー(約0.4ha)あたり2トンの収量を1トンに落としたというプレミアムワインです。
アメリカ各地で行われたブラインドテイスティング会で、強豪たちを押しのけて最高評価を獲得したと聞きました。このアストラルは日本にも入ってきていますので、気になる方はチェックしてみてください(2005年が初ヴィンテージ)。
笑顔がステキなMelvilleの担当者
今回の試飲会では、Melville、Foxen、Zaca Mesa、Qupeをはじめとした、さまざまな生産者が集まってくれましたが、その中に驚きの人物の姿を発見しました。
あのAu Bon Climatのオーナーであるジム・クレンデネン氏です!
彼の風貌は、彼が何者かを知らない人にとっては、ちょっと怪しい人かも?(苦笑)
この試飲会の前日、サンタ・バーバラのワインバーで見かけて気になっていたワインがあります。それは「Clendenen Family Vineyards」。
「Clendenen Family Vineyards」は、世界的にも有名な「Au Bon Climat」(オー・ボン・クリマ)のオーナーであるジム・クレデネン氏が、自身が所有する小さな畑のブドウからつくったスペシャルなワインです。
日本では見ていないような?しかし、2008年11月に横浜で関東支部第4回例会(サンタ・バーバラの魅力を語る)を開催した際に、テイスティングワインとしてピノ・ノワールが1本だけ出ていました(機関誌107号参照)。
「Clendenen Family Vineyards」では、彼の得意とするピノ・ノワールとシャルドネの他、トカイ・フリウラーノ、ネッビオーロ、シラー&ヴィオニエ、プティ・ヴェルドといったバラエティ豊かな品種のワインがつくられています(1998年~、オーガニック)。
Petit Verdot “Bien Nacido Estate Plantings” 2005 Clendenen Family Vineyards
「Clendenen Family Vineyards」のワインの一部は日本にも入ってきていますので、「Au Bon Climat」と並べて飲んでみるのも面白いのではないでしょうか。
*
ピノ・ノワール、シャルドネの印象が強いサンタ・バーバラですが、今回の試飲会では、シラー、ヴィオニエ、シュナン・ブラン、ルーサンヌ、ソーヴィニヨン・ブラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、ムールヴェードルと、実にバラエティ豊かなワインたちと出会いました。
その中でも、特にシラーに力を入れる生産者が多く、しかも品質の高いものができていると改めて実感しました。ぜひサンタ・バーバラのシラーを今後はチェックしてみてください。
■Santa Barbara County Vintners’ Association
サンタ・バーバラ・ワイナリー協会
http://www.sbcountywines.com/index.html
プロフィール:
Mayumi Watabiki (綿引まゆみ)
ワインジャーナリスト。(社)日本ソムリエ協会機関誌「Sommelier」、ワイン専門誌「Winart」の他、料理誌等に執筆。ワインセミナー等の講師も務めている。
◆公式ブログ「ワインなささやき」http://blog.goo.ne.jp/may_w/
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