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【Catch the Wine Voice】vol.4 多彩なワインが楽しめるパソ・ロブレス

サンタ・バーバラを後にし、カリフォルニア州のワイン産地の中で最も暑いといわれるAVA「Paso Robles」(パソ・ロブレス)にやってきました。
パソ・ロブレスはセントラル・コーストのサン・ルイ・オビスポ郡にあり、ロサンゼルスとサン・フランシスコのちょうど真ん中に位置しています。

パソ・ロブレスカリフォルニア州の中では、ナパ、ソノマに続いて3番目に大きく、
Paso Robles Wine Country Alliance(パソ・ロブレス・ワイナリー協会)のクリストファー・タラント氏は「ワイナリー数が多く、多様性が特徴。カリフォルニアのAVAの中で最も成長がめざましく、生産者は高い情熱を持っている」と説明してくれました。

パソ・ロブレスがAVAに認定されたのは1983年。
当時は17だったワイナリー数は現在180を超え、栽培面積は約270,000ha。
vol.3で紹介したサンタ・バーバラ郡のAVAサンタ・マリア・ヴァレーが32,376ha、AVAサンタ・イネズ・ヴァレーが31,081ha、AVAサンタ・リタ・ヒルズが12,432haですから、AVAパソ・ロブレスがどれくらい大きいかわかりますね。

≪Paso Robles の特徴≫
1)昼夜の温度差が大きい:夏の日中は29.4~40.5℃、夜間は4.4~10℃
2)多様なミクロクリマ:山脈、丘陵地帯、谷、川などの地形や気候の違いによる
3)土壌の多様性:火山岩、砂岩、泥岩、石灰質泥板岩、海洋性堆積岩etc…
4)生育期間が長い:酸を保ちながらじっくり熟し、11月半ば近くまで収穫可能
5)多様な品種:40種以上のブドウ品種が栽培されている


ナパならカベルネ、サンタ・バーバラならピノ・ノワールと、その産地を代表するブドウ品種があります。パソ・ロブレスではカベルネ・ソーヴィニヨンが統計上では最も多いのですが、18生産者が集まった試飲会でズラリと並んだワインの多彩さに感心しました。

【参考】Paso Roblesのブドウ品種別栽培面積比率
カベルネ・ソーヴィニヨン(38%)、メルロ(15%)、シラー(10%)、ジンファンデル(9%)、シャルドネ(8%)、プティ・シラー(4%)、ソーヴィニヨン・ブラン(3%)、カベルネ・フラン(2%)、その他(11%)

◆白品種:シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、リースリング、ヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンヌ、グルナッシュ・ブラン、ピクプール・ブラン、ピノ・グリージョ、マスカット・カネッリ、ベルデホ、マルヴァジア・ビアンカetc…

◆赤品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、ピノ・ノワール、ジンファンデル、シラー、ムールヴェドル、グルナッシュ、クーノワーズ、サンソー、プティ・ヴェルド、プティ・シラー、マルベック、バルベラ、テンプラニーリョ、タナ、トゥーリガetc…

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20種類のブドウを栽培しているという「Vina Robles」のMarc Laderriereさん

「Red4」というワインは、プティ・シラー51%、シラー43%、タナ4%にポルトガルのトゥーリガ2%をブレンドしたもの。なぜ、こういうブレンドを?と尋ねると、
「自由にワインをつくりたいから。プティ・シラーはストラクチャーとボディとカラーを、タナもストラクチャーを、トゥーリガはフローラルなノーズを与えてくれる」と、マークさん。

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Justin Vineyards & Winery

「Savant 2007」(写真中央)は、シラー62%、カベルネ・ソーヴィニヨン34%、マルベック4%のブレンド。
マルベックは酸味がしっかりしてエッジが立つ品種なので、全体のバランスを取るためにブレンドしているとのこと。
パソ・ロブレスで40種以上のブドウが栽培されている理由がわかります。

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Anglim WineryのSteffanieさん

試飲した印象が非常に良かった生産者のひとつが「Anglim Winery」。
夫のスティーブさんがワインメーカーを、妻のステファニーさんがマネージメントを担当し、2002年にスタートした家族経営の小さなワイナリーです。年間生産量は3500ケース。
「Grenache 2006」は、グルナッシュ79%、シラー14%、クーノワーズ7%のブレンド。クーノワーズを加えるのは、「ワインがスパイシーになる」と、ステファニーさん。
どのワインもエレガントで女性的なやさしさがあり、特に白の「Rousanne 2006」がまろやかで、ずっと飲んでいたいと思うほど気に入りました。
ローヌ品種に特化していますが、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール(サンタ・リタ・ヒルズのもの、2005年から)も限定生産しているようです。
ローヌ品種を手がけているワイナリーは多く、赤に白のヴィオニエをブレンドする仏の「コート・ロティ」を意識したと思われるワインも数多くありました。

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Judd Family Wines オーナー(左)とワインメーカー(右)

オーナーのJames Juddさんが持っているのが「A Cellar Full of Noise  Tempranillo」。生き生きとした味わいが好ましく、テンプラニーリョの個性がよく出ています。ダンスをしている男女のクラシカルな雰囲気のラベルにも味があります。
ワインメーカーのSteve Anglimさん(実はAnglim Wineryのステファニーさんのご主人)の手にある「Vintage Flight  Petite Sirah」はアルコール度数15.8%!パソ・ロブレスの内陸部には暑い場所があるため、アルコール度数の高いワインができます。しかし、酸味がしっかりとしているのは、昼夜の温度差が大きいパソ・ロブレスだからこそですね。

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D’Anbino Vineyards & Cellars の シミズ マサヒロさん

生産者の中に日本人の方が!娘さんがワイナリーの息子さんと結婚されているとのこと。シミズさんはこの後11月に来日され、その際にもお目にかかりました。
来日時のレポートも含め、後日ブログ「ワインなささやき」にて紹介したいと思います。

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ジンファンデルワインも多く、これは甘口タイプ(Opolo Vineyards)

*多種多彩なパソ・ロブレスのワインのすべてを知り尽くすには下記のサイトが便利
Paso Robles Wine Country Alliance
http://www.pasowine.com/

プロフィール:
Mayumi Watabiki (綿引まゆみ)
ワインジャーナリスト。(社)日本ソムリエ協会機関誌「Sommelier」、ワイン専門誌「Winart」の他、料理誌等に執筆。ワインセミナー等の講師も務めている。
◆公式ブログ「ワインなささやき」http://blog.goo.ne.jp/may_w/

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